作品
《FRAKTA》(2021)
2019年にシリーズの制作を開始、展示作品は021年に制作したもの。
IKEAは大量生産された家具などの販売で知られている企業ではあるが、取り扱う商品の中に観葉植物もある。IKEAの商品は世界各国で流通していて、椅子や机など商品ごとに文字のない組み立てイラストレーションが存在するが、観葉植物にはそれが付随しない。
個別の生命体であるにも関わらず、家具のように大量に生産・流通する観葉植物を家具として完成させるための平面作品。
《TRANSEE》 (2023)
新作。描かれている線は世界の物流の流通網や、作家が最近通っている倉庫整理のバイトで拾ったカゴ台車の破片などを元にしたもの。TRANSEEはラテン語のtrans(横切って/向こうに/越えて)と接尾辞のee(される人)を元にした造語。transはtraffic(交通)やtransport(輸送する)、transient(つかの間の)、transparent(透明な)の語源であり、再び日常に戻ろうとする社会から見過ごされようとしている物たちについて作ったこの作品のタイトルに引用した。
《荒野の声AM》 (2019)
京丹後にて制作、日本海側の海岸線に流れ着く漂着物を集め受信装置を作り、海外のラジオ電波を拾うインスタレーションとして発表した。日本海側の海辺は夜間、電離層の影響で海外のラジオ電波が取得しやすくなる。今回の再制作にあたり、その時受信していた音声と海辺で撮影したラジオ(既製品)の映像を流している。DIYラジオなので既製品のラジオにおいては抑制されているはずのフェージング(同一周波数で複数の音声信号を拾った際に、波のように様々なそれぞれの音声が近づいたり遠ざかったりする現象)が発生し、複数言語が聞こえてくる。
《contagion correspondence》(2020/2023)
透明なケースに入ったスマートフォンをタイムラプス撮影にしたまま移動させた映像。今回の展示のためにバージョンアップし、海老名-大阪-金沢-東京-大阪の旅程を撮影した。前半の海老名-大阪-金沢においては各種郵送サービスを用い、後半の金沢-東京-大阪では作家が手荷物として輸送した。後半の輸送においては大雪の影響で金沢-大阪間への直通の特急が止まったため北陸新幹線で東京へ迂回し、その後高速バスで大阪へ移動した。
《Alien Carrier》(2022)
神宮前の空き地に捨てられていたキャリーバッグから着想し、その空き地で採取した土をSNSで募ったキャリーバッグに詰めた。人の移動がもっとも制限されていた展覧会会期中にに不要になったキャリーバッグの中で、もともと土中あった雑草の種子たちが芽吹いた。生えている雑草たちの大半は外来種であり、人や物の往来によって生息圏を広げた種だ。その後も様々な場所へ移動/発表を続けるこの小さな庭は、そこを浮遊している種子などを取り込み新たな生態系へと変貌を続ける。
プロフィール
美術家、エキシビジョンメーカー、他副業多数。参加するプロジェクトにUrban Research Group、SCAN THE WORLD、インストールメンツがある。主な個展に、『アイオーン』(秋田/BIYONG POINT/2020)、『ニューグラウンド』(東京/The5thFloor/2021)。主な参加展覧会に『生きられた庭』(京都/京都府立植物園/2019)、『水の波紋展2021』(東京/2021)、『ストレンジャーによろしく』(金沢/2021)、『WHITEHOTEL』(東京/WHITEHOUSE/2022)、『YAUTEN』(東京/2022)。主なキュレーションに、『変容する周辺 近郊、団地』 URG(東京/2018)、『working/editing 制作と編集』(東京/アキバタマビ21/2020)、『2020 𝄆 Wardian case 𝄇』(東京/BLOCK HOUSE/2020)、『And yet we continue to breathe.』 (東京/ANBTokyo/2020)。
展覧会
会場