Photo: Kohei Matsumura
展覧会タイトル
コンセプト
釜ヶ崎は大阪市西成区北東の一部の地域をさしますが、地図にあるわけではありません。「釜ヶ崎」とは、人生のなかで寄る辺がない、ひとりぼっちのような気持ちになったりする状況なのかもしれません。そこに表現しあう場と機会があると、さまざまなおもしろいことが起こります。孤独を味方にしている人たちの弱さがちからとなる瞬間に立ちあいつづけ、「であいと表現の場」を釜ヶ崎の片隅で20年余たちます。
そんななか、釜ヶ崎の変化は早く、亡くなる人も多く、労働者は減少、働く外国人は増えています。あいりん労働福祉センターは閉鎖され建て替えが決まっています。そこで、センター跡地にもアートセンターが組み込まれることを希望し、船場において実験的に釜ヶ崎アートセンターをつくってみようと思います。
釜ヶ崎のおじさんたちを展示することはできません。おじさんたちや旅人が表した絵や物、ことばなどを段ボールにつめて運んできた空間のなかで、コミュニケーションの場を生み出したいと思います。芸術祭を体験した人たちとゆっくり対話の時間をつくったり、墨で書いてみるコーナー、釜ヶ崎芸術大学で育てているみみずコンポストのシマミミズ500匹を眺めてみるなど、いっしょに時間をすごしてみましょう。
釜芸の一角にある「本間にブックカフェ」は誰でも店長になって、お客さんに本を選んでさしあげる仕組みのブックカフェです。恩送りチケットという贈与の経済も働いています。「本間にブックカフェ」では、運がよければコーヒーを淹れるおじさんもいます。「こんにちわ」って言ってみる。そんな場所が釜ヶ崎アートセンターです。
※会期中、西成の釜ヶ崎芸術大学も会場となっております。
プロフィール
2012年より大阪市西成区釜ヶ崎にて開講。NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)が運営する。釜ヶ崎の街を大学にみたて「学び合いたい人がいれば、そこが大学」として、地域のさまざまな施設を会場に、天文学、美学、合唱など、年間約100講座を開催する。近年は釜ヶ崎に暮らす人たちの高齢化により、記憶や記録に注力しながら「であいと表現の場」として活動する。近隣の高校や中学校への出張講座や大阪大学との協働講座も実施。
2019年、ペシャワール会で井戸を掘ってきた蓮岡氏の協力を得て、釜ヶ崎の元日雇い労働者に教わりながら、こどもや旅人、難民など700人とスコップで井戸を掘った。JR・南海電車の新今宮駅前のあいりん労働福祉センターの建て替えに伴い、この場所に、釜ヶ崎アーツセンターを妄想している。
展覧会・公演など:ヨコハマトリエンナーレ2014、アーツ前橋「表現の森」(2016)、鳥の演劇祭(2016)、大岡信ことば館「釜芸がやって来た!」(2017)、るんびにい美術館「えぇ街やで。ここは〜釜ヶ崎芸術大学の日々」(2018)、さいたま国際芸術祭(2019)、大阪関西国際芸術祭(2022)など。
堀江 日出男 ほりえ ひでお
1954年 兵庫県神戸市生まれ 大阪市西成区在住
2020年3月、西成区のひと花センターに来所するようになり、数字パズルゲームをしたり、動物の世話をしていた。あるとき、スタッフの勧めで写真を見ながら描いた船の絵が、2021年2月号の「ひと花新聞」の表紙に採用され、絵の世界に没頭。動物、乗り物、街並み、建物など、モチーフが次々と移り変わっていった。一枚10円で画用紙を購入し、いちにちに何枚もの絵を描く。ひと花センターの壁の一画が絵の展示場所となり、毎日のように絵は貼り替えられ、一年余りで500枚ほどが完成した。堺市のHirao Universal Gallery が協力を申し出てくれ、2022年5月に初個展「もういちまい」を開催。「もういちまい」と言って10円をさしだすエピソードからのタイトル。
一時期モノクロの世界に入ったが、それはクレヨンや色鉛筆がなくなったからで、現在はココルーム(釜ヶ崎芸術大学)を通じて全国から画材が届けられ、色彩の世界が戻ってきた。
ひと花センター https://www.hitohanap.org/
展覧会
会場
船場エクセルビル 6F、ゲストハウスとカフェと庭 釜ヶ崎芸術大学
イベント
釜ヶ崎芸術大学2022 合作俳句
Collaborative Haiku ふしぎのであいのおもしろさ
日時:1/28(土)14:00~16:00
講師:西川勝(自由律俳句)、高木智志(人生俳句)、上田假奈代(詩人)
会場:船場エクセルビル 6F、オンライン
申込:オンライン参加の方はこちらからお申し込みください
釜ヶ崎芸術大学2022 Art and Kamagei 釜芸の芸術性をひもとく
日時:1/29(日)14:00~16:30
1:アジールと限界芸術 Asylum and Marginal Art
トーク:福住 廉(美術評論家)、上田假奈代(詩人) モデレーター:秋田光軌(大蓮寺 副住職)
2:アナキズムと限界芸術 Anarchism and Marginal Art
トーク:上田假奈代(詩人)、ゲストスピーカー1名 モデレーター:藪本 雄登(アウラ現代藝術振興財団 代表)
共催:秋田公立美術大学 複合芸術会議プログラム
会場:船場エクセルビル 6F
申込:こちらからお申し込みください
釜ヶ崎芸術大学2022 ことばとからだ
Word and Body 呼応しシカトすることばとからだ
日時:1/30(月)19:00~21:00
講師:砂連尾理(振り付け家・ダンサー)、上田假奈代(詩人)
会場:船場エクセルビル 6F
釜ヶ崎芸術大学2022 手紙を書く会
あふれることば、えらぶことば
日時:2/3(金)14:00~16:00
進行:垣井しょうゆ(かまぷ〜) ほか
会場:船場エクセルビル 6F、オンライン
申込:オンライン参加の方はこちらからお申し込みください
釜ヶ崎アーツセンター構想についてみんなで語る
釜ヶ崎芸術大学
Dialogue on Kamagasaki Center of Arts
日時:2/4(土)14:00~16:00
講師:田中均(美学)
会場:船場エクセルビル 6F、オンライン
申込:オンライン参加の方はこちらからお申し込みください
釜ヶ崎芸術大学2022 詩
Poetry 表現の源は対話から
日時:2/5(日)14:00~16:00
進行:上田假奈代(詩人)
会場:船場エクセルビル 6F、オンライン
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釜ヶ崎芸術大学2022 タイ⇄釜芸(船場)
Thailand to Kamagei(Semba) 人間バンバン、タイKama。
日時:2/7(火)14:00~16:00
進行:バッタ亭こおろぎ(かまぷ〜fromタイ)
会場:船場エクセルビル 6F、オンライン
申込:オンライン参加の方はこちらからお申し込みください
釜ヶ崎芸術大学2022 新解釈ボレロ! – きょうもいちにち をふりかえる
Newly Interpreted BOLERO! – Reflecting of The Day Starts Again ボレロ越しに見えたもの
日時:2/8(水)19:00~20:30
話し手:常盤成紀(アミーキティア管弦楽団主宰) ほか
会場:船場エクセルビル 6F、オンライン
申込:オンライン参加の方はこちらからお申し込みください
釜ヶ崎芸術大学2022 音読
Book Reading 声であじわう物語
日時:2/12(日)14:00~16:00
進行:垣井しょうゆ(かまぷ〜) ほか
会場:船場エクセルビル 6F、オンライン
申込:オンライン参加の方はこちらからお申し込みください